社会科学部 (日本語)
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ルンド大学の建物日本語会での写真スウェーデンゴットランド島での写真友人とハロウィンパーティーに参加した際の写真Nationランチでの写真14私は大学進学のため福岡から上京しました。以前から留学に興味があったため、入学後すぐに留学の準備を進めました。留学先を考えるにあたって、幸福度が高く福祉が充実していることで有名であり、かつ私が大好きなバンドの聖地でもあるスウェーデンのルンド大学を選択しました。講義は週に2.3回ありました。私は興味があったジェンダー、移民、文化や宗教などについての講義を履修しました。講義中には学生が活発に発言し、教授も学生の質問に丁寧に回答していました。また、グループワークの比率が高くさまざまな国からの留学生とディスカッションする機会が多くありました。印象的だったのは、学生の意欲の高さです。例えば自国の宗教について討論した際、学生は自国の宗教的状況や歴史について深く理解しており、心からディスカッションを楽しんでいました。周りの学生に刺激を受けて、人一倍予習に熱を入れるようになり、最終的には私もディスカッションを楽しむことができるようになりました。またスウェーデンはボランティア活動がとても盛んで、留学生でスウェーデン語が話せない私も参加することができました。地域の子どもたちが交流する場を提供するボランティアに参加し、子どもたちと一緒に話したり遊んだりしました。留学以前、ボランティア活動は縁遠いものでしたが、スウェーデンで経験して以来、日本でも積極的に参加してみたいと考えるようになりました。私が入居していた学生寮は、キッチンと洗面所、シャワー室を学生5人で共有するつくりになっていました。留学初日、寮に到着して判明したのですが大学寮は男女で分かれておらず、部屋は完全にランダムに振り分けられていました。性別で区別すること自体をタブー視するスウェーデンのジェンダーレス意識の高さに驚愕しました。最初は抵抗を感じていましたが、徐々に慣れルームメイトとも性別関係なく仲を深めることができました。寮生活を通して自身のジェンダーレス意識の低さを痛感し、日常生活の中でも言葉遣いや単語選びには細心の注意を払うようになりました。留学以前、スウェーデンは幸せな福祉国家という印象しか抱いていませんでした。しかし、留学を通して現地の人々と関わるなかで、スウェーデンの人々も自分と同様に勉強に苦戦したり、人間関係でストレスを感じたりするのだ、という当然のことを痛感しました。そして、出身国の印象だけで目の前の相手への偏見を抱くことの身勝手さや危うさを知り、相手への印象にとらわれず、コミュニケーションを重視するように考え方を改めました。勉学以外にも、留学中はさまざまなことに挑戦したいと思い、大学内外で積極的に活動しました。大学にはNationと呼ばれる、日本のサークルと似たような団体が幾つかあり各Nationがランチやランゲージカフェなどを主催することで収益をあげ、その資金をもとに活動していました。私も、Nationのメンバーとしてそれらの活動の運営に参加し、世界各地から集まった留学生と一緒に料理やゲームを通して交流しました。多種多様な学生との異文化交流を通して、人見知りや内気な性格を克服することができました。スウェーデンでの留学生活は、英語での講義、Nation、ボランティア、そして寮生活など日本では体験できなかった出来事の連続でした。悩んだりストレスに感じたりすることもありましたが、留学のおかげで私は何事にも挑戦しようとするチャレンジ精神とどんな状況にも対応する柔軟性を得ました。10か月間のスウェーデン留学生活は私の成長の大きな糧であり、宝物です。留学体験記神 美咲

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