臨床性 理論と実践、思考と行動を往還しながら、矛盾や■藤を自らが乗り越える主体的な自己修正力 国際性 多様な国、言語、価値、利害関係を背景とする 主体とコミュニケーションできる国際的な 表現力と協働力学部長挨拶4未知の問題や将来の危機に対する、豊かな感性による洞察力、多様な価値観の理解力、問題発見力、確かな現実認識と社会の本質を理解する分析能力 早稲田大学社会科学部は、現代社会の複雑な課題を多領域の知を結集して問題解決を図る「総合知」を学び、「社会イノベーター」を育てる学部です。しばしば何でも学べる学部ですかと聞かれることがありますが、もちろんそうではありません。その違いをここで改めて説明し明確にしておきましょう。 社会科学部で学ぶ知は以下「国際」「学際」「臨床」の3つが根幹となっています。 第1は「国際」です。地球規模の国際紛争、環境問題など原因や利害関係者が絡み合っており簡単には正解や有効な対策の見つからない「複雑な課題」(wicked problem)に取り組みます。 第2は「学際」です。「多領域の知」とは、思考習慣を革新する知(哲学、歴史、データ科学、異文化間コミュニケーションなど)をベースとして、社会科学の知(政治、経済、法学、ビジネス、社会学など)のエッセンスを学び、それらを問題解決のために結集する総合知(knowledge integration)のスキルを学びます。2024年度からはコース制を導入しました。 第3は「臨床」です。問題に密着しその解決を図るために、「能力を発揮する力」(competency)を育ててゆきます。物事の捉え方、価値観、臨む姿勢、行動して結果につなげていく力、とくに社会や政策を具体的にデザインし、社会に実装する力を高めます。 社会科学部は、学び方にも特徴があります。 第1は、学生は「自己完結型学習者」(self-contained learner)という考え方です。大学の学びは究極的には自分一人に始まり、そこに還ります。自分の道を自分で敷き、歩む、壁にぶつかりながら自己修正してゆくリーダーに求められる生き方です。そのため入学後すぐ「学習戦略」を立てるサポートから始めます。 第2は、多言語環境(Multilingual)です。日本語、英語、その他の外国語など英語学位プログラム(TAISI)と融合しながらコミュニケーションしてゆきます。国際機関、企業など多様な言語、バックグラウンド、国際色豊かなチームの中で力量を発揮する力をつけてゆきます。 第3は、「集合知」(collective knowledge)です。一人では限界があることも、クラウドの力を結集すれば大きな発見、成果やインパクトに結びつけられます。対面、オンラインの多様なコラボレーションを経験してゆきます。 コロナも終結しました。いよいよ激動の世界へ地図のない旅に出るために、世界どこでも通用する生涯の学びのコンパスを磨きながら新しい知を探究してゆきましょう。早稲田大学 社会科学部長教授 早田 宰 学際性 多領域の知を結集した問題解決能力と社会を 切り拓く社会構想力現代社会の課題を解決できるソーシャルイノベーターを育てるFROM THE DEAN国際性
元のページ ../index.html#5