地球規模の視点で思考・実行する留学体験記 自分にとって憧れの地域であった北欧、スウェーデンで過ごした10ヶ月間は私の大学生活を彩る大切な1ピースになりました。 私が約10ヶ月間を過ごしたルンドはスウェーデンの南端に位置する、小さくて可愛らしい街です。人口の約4割が大学関係者と言われているほど大学が街の中心的存在であり、世界中から学生や研究者が集まってきます。治安が良く、夜間でも安心して外出できると共に、比較的過ごしやすい気候も魅力的でした。 授業がない時間には、ランゲージカフェに行ったり友だちと料理をしたりして過ごしました。現地の友人たちに教えてもらいながら、伝統的なシナモンロールや、セムラという春のお祝いの菓子などを一緒に作った思い出があります。東京のように娯楽施設がたくさんある訳ではありませんでしたが、日常の小さな幸せを大切にする、のんびりとしたスウェーデンらしい生活を体験することができました。 このような留学生活を通して、たくさんの新たな価値観に出会い、吸収してきました。その一つが、豊かな柔軟性です。例えば、留学前の自分は「4年で大学を卒業しすぐに就職をする」という定型化された将来をイメージしており、他の可能性をあまり考えたことがありませんでした。しかし、現地では20代後半でも、家族を持った後でも大学で勉強を続けている人が多くいました。本当に自分のやりたいことをマイペースに突き詰め、互いにその姿勢を尊重し合う人々と出会い、自分の考えがより自由で楽観的なものになったと思います。進路に限らず、「人生は自分が思っている以上に自分で好きなようにデザインしても良い」と思えるようになったことは、大きな実りです。 自分のコンフォートゾーンから飛び出して生活した経験は、英語力だけではなく人間的な面での成長を与えてくれました。さまざまな新しい経験ができた10ヶ月間は間違いなく私にとって一生の思い出であり、財産です。 現地での住まいは寮で、40人弱で流し台が2つしかない小さなキッチンをシェアしていました。週末には共有スペースでパーティーが開催され、その真上の部屋に住んでいた私は、夜中に爆音で響く音楽で眠れないこともありました。初めこそ体験したことのない異文化に戸惑いましたが、後半はそれを面白がる気持ちの余裕を持てるようになりました。 大学には週に3、4日通っていました。一度に履修する科目数が少ない分、一つの科目にじっくり向き合い、集中して勉強することができました。私は北欧デザイン、文学、ジェンダーなどに関する授業を選びました。ディスカッションやグループワークなど、学生が主体的に参加する授業スタイルが多かったことが印象的です。13ラップランドで犬ぞりをしたとき友だちとシナモンロールを作ったとき現地の小学校で日本についてプレゼンを行ったとき寮でポットラックパーティーをしたときINTERNATIONAL『内なる留学』を生かして 世界へ羽ばたく 社会科学部が掲げる教育理念における国際性に基づき、学生が異文化を学びながら世界に視野を広げるための絶好の機会となり得る海外留学を「グローバル人材」育成の礎と捉え、積極的に奨励しています。留学先で取得した単位の認定を柔軟に行うなど、学生が留学にチャレンジしやすい学習環境を整えています。 社会科学部では、英語学位プログラムが提供する「英語で行われる授業」が、一般プログラムの学生にも開講されています。海外からの留学生と机をならべて英語による授業を受けることで、「内なる留学」を体験できます。 森口 碧子国際
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