基幹・創造・先進理工学部 (日本語)
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P36未来の学生へのまずは何かに夢中になれるというのが大切だと思います。それが最終的に研究となれば、立派な研究者です。メッセージ未来の学生へのメッセージ博士後期課程に進んだきっかけは何ですか?進学の決め手は、自分のテーマを完遂して論文化したいという気持ちがあったからです。我々の分野では論文にするまでに数年の時間がかかります。修士課程までだと途中で終わってしまい、本当の意味での研究が出来ないと考えました。もちろん卒業後の進路を考えたときに博士号が必要だとも思っていました。そして最近は博士学生への支援が増えてきたことも決め手です。今取り組んでいる研究内容と、その面白さを教えてください。一言で表すと、がんに関連する遺伝子の研究をしています。がんは遺伝子の異常があることによって引き起こされますが、その原因遺伝子は患者さんによって様々です。がんが悪性化するときに、ある遺伝子がどのような機能を持つのかを明らかにすることで、治療に役立てることが可能です。多くの患者さんを救える可能性が、すぐそこにあるかもしれないというのは非常に魅力的だと思います。学生生活の学びの中で、一番印象に残っている経験を教えてください。はじめての学会発表は非常に印象に残っています。今までは学内での発表しかしたことがなかったので、すごく緊張していました。いろいろな考え方をもつ研究者の皆さんと意見を交わせたことは大きな刺激になりました。実験をするのが一番だと思っていましたが、研究者同士の交流がいかに大切かを思い知らされました。先進理工学研究科生命医科学専攻博士後期課程1年片山 翔太さん(東京都・早稲田実業学校 高等部/先進理工学部 生命医科学科卒業)博士後期課程に進んだきっかけは何ですか?学部時代、スイスとラトビアに長期間留学できた経験がPhD取得を決意する起点となりました。修士時代に物質・材料研究機構(NIMS)で研究インターンシップに参加中、当時取り組んでいた研究をさらに発展させたいと考えていました。所属していたNIMSの研究室で博士学生として、お給料をいただきながら、その研究ができる早稲田大学に進学しました。今取り組んでいる研究内容と、その面白さを教えてください。次世代二次電池材料中で原子・電子がどのように挙動するとより高性能になるのか?大規模計算機(富岳等)を用いた理論的解明を目指しています。例えば、実験では直接観測が困難である材料内部の原子の拡散を計算機の中で再現し、律速段階を詳らかにします。量子力学や統計力学の知識を駆使し、必要であれば計算プログラムを組むことで、計算機の中に小さな物質を再現できる面白さがあります。学生生活の学びの中で、一番印象に残っている経験を教えてください。初筆頭論文がacceptされた際は、大きな達成感がありました。その業績が認められ、自分の研究費をいただけた経験から、学生生活で責任が芽生え始めたと思います。博士課程から始めた研究で、自分で組んだ計算プログラムが正しく動き、材料内部の原子・電子の挙動を可視化することができた際、理論物理・化学の再現性に感動しました。− 教科書を疑う。現実はどうなってるのでしょうか?− 理解の確認として、3通りの合理的説明ができるか?− どんな問題を解きたいか?先進理工学研究科ナノ理工学専攻博士後期課程2年伊藤 暖さん(宮崎県・ 東北学院榴ケ岡高校/ 山形大学理学部 物理学科卒業)

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