Faculty of Science and Engineering (English)
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未来の学生への博士後期課程に進んだきっかけは何ですか?今取り組んでいる研究内容と、その面白さを教えてください。学生生活の学びの中で、一番印象に残っている経験を教えてください。私の学部生時代の授業の中で、先生が「君たちの知っている素数の中で最大の素数は何ですか?」という質問をしました。その時、友人が100003と即答したのが一番印象に残っています。地方からきた自分の井の中の蛙ぶりに愕然としたのと同時に、私の中の最大の素数も100003に塗り替えられました。そして現在の私の中の最大の素数は…私が中高生のころはちょうどスマートフォンの勃興期で、計算された美しさをまとったプロダクトが世界を変える様とその威力を見せつけられました。そのような中で、私が高校生の時に特に引き付けられたのが、当時の恩師に教えていただいた偏微分方程式の美しさでした。この偏微分方程式の分野で先端を行くのが早稲田だと思い、進学し現在も博士後期課程で研究を続けています。小さいころから、音楽や芸術が好きで世の中の美しさを証明したいと思っていました。「対称性」も数学的な美しさの一つだと思いますが、偏微分方程式の解には対称性が破壊される場合があります。その対称性破壊の起きる条件を人間の手計算で解くことは一般的に困難とされます。現在、私はコンピュータ自身が数学的な証明までを行う「精度保証付き数値計算」を用いてこの問題にアプローチしています。基幹理工学研究科数学応用数理専攻博士後期課程3年浅井 大晴さん(青森県立弘前高校/基幹理工学部応用数理学科卒業)「君の10年はどうだったかね?」と主人公の青年技術者に問う映画のセリフに高校生の私は衝撃を受けました。「10年後」一つの指標としてみてはどうでしょうか。メッセージアーリーバードプログラム理工学術院総合研究所が実施する、若手研究者育成・支援を目的とする事業。2011年に始まって以来、毎年15名程度、これまでにのべ189名が採択されています。採択者には研究助成金が交付され、自身の研究活動や、アーリーバードの活動を通じて生まれた、異分野の研究者との融合領域研究にも役立てることができます。W-SPRING2021年、本学は、科学技術振興機構(JST)が実施する「次世代研究者挑戦的研究プログラム」の支援を受け、博士後期課程学生のキャリアパス確立と経済的支援を目的とした「早稲田オープン・イノベーション・エコシステム挑戦的研究プログラム(W-SPRING)」の運用を開始しました。制度運用開始以来、理工学術院の5研究科に所属する博士学生176名が本プログラムに採択され支援を受けています。 約7割が大学院修士課程に進学しています。そんな知への飽くなき探求心を持った3名が、現在、理工3学部からはそして修士課程を修了した後も、さらに研究を究めようと博士後期課程に進む学生たちがいます。博士後期課程の魅力について語ります。J-22―博士後期課程で、未知の扉を開く―知のプロになる

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