扇原 淳多角的、重奏的な学びの場へようこそ早稲田大学人間科学学術院長人間科学部長03きる。そんなイメージです。扇原 その中で、人間の行動や思考、あるいは人間とテクノロジー、社会との関係など、自分と関わる身近な問いから世界が抱える大きな課題まで、幅広く深く考察できる。そんな面白さもあります。尾澤 過去、現在、未来という時系列を軸に、自分や社会の問題を探るのも面白いですね。例えば、自分自身の過去に根ざす心理的問題、我々が今まさに直面する環境問題、人類の将来を左右する先端技術の課題というように。あらゆる問題を発見し、研究テーマに据えて、解決の方策を探究していけるのが魅力です。──その複合的な学問である人間科学をeスクールで修める利点とは?扇原 総合大学である早稲田でこそ可能になる複合的な学びがあり、通学制とまったく同じ質の高い教育が受けられ、なおかつ時間や場所に縛られない柔軟な学修スタイルが得られることです。仕事や育児や介護の都合、健康や身体の事情に合わせて、また国内外のどこからでも、学びたい意欲を満たすことができます。尾澤 早稲田大学には、学問の開放を理念に建学当初から発行を続けてきた『早稲田講義録』の伝統があり、世紀を超える社会人教育の実績があります。これを基盤とするeスクールもまた日本のオンライン通信教育課程の先駆けであり、仕組みにおいても質においてもトップレベルに位置する存在です。ここで開発されたBBSをはじめとする協働型で双方向の学びのシステムは、一つのモ早稲田で体感する学融合的な学びの場──「人間科学」という学問の魅力、面白さについてお聞かせください。扇原 人間科学は、「人間がより心豊かに、より健康的に、より幸せに生きる」ことを志向する学問です。それには、人間と人間社会を取り巻くさまざまな問題に対する理解や探究が求められますから、文理の垣根を超えて、いくつもの学問を総動員して取り組むことになります。心理学や社会学、教育学、情報科学、工学、医科学といった多彩な学問を融合し、多角的なアプローチで人間という存在に迫る。その縦横無尽の拡がりが、まず大きな魅力の一つといえますね。尾澤 早稲田大学の場合、「環境」「健康福祉」「情報」の3つの学科領域に分かれますが、それらは独立していながらも深く結びつき、どんな学びの方向性にも応えられる仕組みとなっているのはそのためです。学科という窓を通じて別々の景色を見ているようでいて、実はその景色はつながっていて、自分の関心や課題に応じてどの角度からも眺めることがで人間の深淵に踏み込み、人々の幸せを希求する「人間科学」という学問の世界。早稲田大学eスクールで知るその醍醐味を、扇原学部長と尾澤教務主任が語ります。人間科学の世界へ知的冒険の旅に出かけよう
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