深く広く張った根を未来へと伸びる礎に。Dean'sDean'sMessageMessage15早稲田大学第一文学部東洋史学専修卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻修士課程修了、早稲田大学大学院経済学研究科日本経済史専攻修士課程修了、同大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程退学。博士(文学)。早稲田大学文学学術院准教授を経て、2015年より同教授。現在は文学部長を務める。専門は日本近世史。大学時代の印象深い思い出は3週間かけてタイを旅して回ったこと。文学部長 文学部には伝統的な人文学の学問領域を網羅する18の専門コースが設置されています。2年次からコースに進級し専門的な学びを進めていく上で、ぜひ意識してほしいのが、自分自身の内面的な思考を徹底して深めることです。関心のあるものごとについて、インターネットの情報やAIが出す答えだけで知ったつもりになるのではなく、さまざまな本や論文を読んで調べてみることがその一歩になります。その上で、自分の頭が破裂しそうに思えるほど脳細胞をフルに使って考え抜き、感じたことを言語化する力を高めていく、この一連の経験を大学で積み重ねてほしいと思います。文学部の大きな特色である卒業論文の執筆は、何よりの好機となるでしょう。 こうして培われる、専門性に裏づけられた深い洞察力をタテの力とするなら、ヨコの力となるのが領域横断的な教養です。文学部では多種多様なブリッジ科目や全学オープン科目を通して、幅広い教養を身につけられる環境が整っています。単に大きく広げるよりも、むしろ、多くの選択肢からいかにうまく絞り込んでヨコの力を伸ばすかが重要になります。 自らの内側へと深く掘り下げると同時に、広く外の世界に目を向けて関心や知識を育んでいく、その内と外との引っ張り合いが、自身を高めることにつながります。タテとヨコにしっかりと張った根は、未来へと伸びる土台となり、定まった道などない人生を自分で切り拓いていく支えにもなるはずです。TANIGUCHI Shinko 谷口 眞子文学部
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