SCHOOL OF HUMANITIES AND SOCIAL SCIENCESTAKAMATSU Hisao15早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科修士課程修了、同博士後期課程退学。博士(文学)。早稲田大学文学部助教授などを経て、2004年より同文学学術院教授。現在は文学部長を務める。専門は日本上代文学。文学部では「日本文学史1(上代文学)」「文学部 選択基礎演習6」「日本語日本文学演習」などを担当。落語など寄席演芸の鑑賞も趣味で、大学公認サークル早稲田大学落語研究会の会長を務めている。文学部長 人間は今に至るまでにどのような営みを重ねてきたのか。過去を■ってそれを解き明かし、得た知見をもとに現在や未来を考えていく人文学の学びは、私たちが生きることそのものにも重なります。人は自らの限られた人生では経験したことのない事態に直面したとき、過去に似た事例を求め、どう考え行動すべきかのヒントを得ようとします。コロナ禍で100年前のスペイン風邪が注目されたり、カミュの小説『ペスト』が読み返されたりしたのもその表れでしょう。過去に学びこれからを考える上では、必要な資料を集めて整理・分析し、未来を考える材料として説得的に表現することが欠かせません。将来どのような道に進んでも活きるこうした力を、文学部では身につけることができます。 伝統的な学問体系を継承する文学部の学びは、ともすると凝り固まった保守的な世界をイメージされますが、決してそうではありません。先人が確立してきた学問的蓄積のその先に、知識をどう応用して自身の探究を展開していくかは、皆さん一人ひとりに委ねられています。2年進級時に専門コースを選ぶカリキュラムを活かし、ぜひ1年目は意識的に幅広い学問分野や言語に触れてください。高校までの知識を凌駕する新たな出会いや発見が必ずあるはずです。「これだ」と心が震えるような、進む道を方向づけるような出会いを文学部で経験してほしいと願っています。高松 寿夫 人文知の蓄積を 自らの探究の礎に。文学部文学部
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