入学案内(日本語)
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飛躍的に進化を遂げるAI(人工言語能力の本質的な問いに気づくヒントにSpeakng」の開 i大きいと考えられます。今後、現実世界にも生成AIによるデザインが普及していく中で、それが消費者に与える影響をバーチャルファッションでの事例をもとに研究することは有用でしょう。さらに、バーチャルとリアルが互いに模倣し合うことが予想されるため、AIの危険性を十分に検討しながらも、新たな創造性を生むAIの可能性に期待を膨らませています。く、各所でAIを用いた言語テストや言語教授・学習の開発・実践がなされ、私自身も早稲田大学発のスタートアップによるAIを用いた英語スピーキングテスト「LANGX発に携わりました。このテストの開発・検証において、私はAIとの英会話と人間との英会話における違いが、「英語で話す能力とは何か」という本質的な問いに結びつく可能性に気づきました。AIによる言語評価の是非を議論するだけでなく、AIが学問を深化させる機会を逃さないよう学問分野自体も発展する必要があります。シモセラ エドガーEDGAR SIMO-SERRA基幹理工学部 准教授新井 雄也ARAI YUYA教育学研究科 教科教育学専攻博士後期課程 3年菊池 浩史KIKUCHI HIROFUMI人間科学研究科 人間科学専攻博士後期課程 3年知能)の技術。あらゆる学問領域やビジネスの現場でAIの活用が広がり、いまや日常生活でも身近なものになっています。一方で、AIの利用に伴うリスクや、その技術と人はどう付き合うべきかといった、新たな問題も出てきています。早稲田大学では、AIを活用した各領域での先端的な研究に加えて、AI利用の課題を踏まえた対処や環境整備など、さまざまな側面 から研究が行われています。28人間同士の会話では声のトーンや話し方からも相手の感情を読み取り、それに合った反応で共感的なコミュニケーションを深めています。私はこうした自然な対応をAIで分析し、相手がどんな反応を好むかをモデル化して、AIとの音声対話システムに実装する研究を進めています。介護施設の高齢者や一人暮らしの人との会話、子どもの学習支援などに利用するほか、人的リソースが限られる介護分野でソーシャルワーカーのサポート役としても期待できます。一方でAIに過度に依存すると人間同士の交流が減る可能性もあり、AIで人間をどう支援するかを十分考慮して使うべきと考えます。AIが言語教育に与える影響は大きエンターテインメント分野ではAIが人間の能力を拡大し、より面白いゲームや質のいい漫画などを生み出す期待が持てます。そのために私は作成者自身が制御できる対話型の手法で、AIにコンテンツ作成を支援させる研究を行っています。イラストなど鉛筆書きのラフスケッチをきれいな線画に自動変換する技術もその一つで、機械学習を用いて複数の線や途切れた線などが多いラフスケッチから必要な線を抽出。変換後の線画は作成者がAIに指示を与えて簡単に修正可能です。こうした研究で作ったツールは公開して、クリエイターの素晴らしい作品づくりに役立ててほしいと願っています。話者が共感しやすいAIによる音声対話で孤独感を癒やせるかAIを対話的に利用して良質なエンタメ作品を生み出せる期待もAIによる言語評価が

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