入学案内(日本語)
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地球最初の生命はどのようMIZUUCHI RYO128に誕生したのか―自然科学の究極の難問ともいえる、この■を解明するための研究に取り組んでいます。一般的には、約40億年前の原始地球で、非生命である分子から原初の生命が生まれたと考えられています。しかし化石は残っておらず、また、現在の複雑な生命から■って探ることも困難です。そこで私たちの研究室では、実際に生命が誕生する過程を実験室で再現することで理解を目指しています。これまでの研究で、原始生命を模して試験管内につくった自己複製する分子システムが、進化実験を繰り返す中で複雑化していく様子を直接観察することに成功しました。「生命の起源」の最初期の段階にあたる、無秩序な化学物質の中から生命システムが自発的に生まれる瞬間を実験で再現することにも挑んでいます。「生命の起源」の研究は、生命とは何かを知ることにも繋がり、人類の知的好奇心を刺激するテーマといえます。私がこの研究に打ち込む一番の理由も、壮大なロマンと、■への挑みがいをそこに感じるからです。開拓の余地が大きなフロンティアであり、研究の過程で得られた知見や新技術は、バイオテクノロジーや創薬などさまざまな分野への応用が期待されます。社会に還元できる宝が詰まった研究領域だと感じています。私は高校では生物の授業を選択せず、本格的に学んだのは大学に入ってからです。生命の神秘に魅せられて探究を進めた先に、研究者の道がひらけました。これから大学で学ぶみなさんも、専門や学部を超えて学べる早稲田の仕組みを利用して幅広い科目に触れてみてください。アンテナを張り、行動し、自分の興味関心と向き合って考えながら、情熱を傾けられるものをぜひ見つけてほしいですね。大阪大学工学部卒業、同大学大学院情報科学研究科博士前期・後期課程修了。博士(情報科学)。米国ポートランド州立大学博士研究員、東京大学特任助教、科学技術振興機構さきがけ研究者、早稲田大学先進理工学部専任講師を経て、2025年より現職。専門は生命の起源。水内 良先進理工学部 電気・情報生命工学科 准教授MESSAGE FROM PROFESSOR謎に満ちた「生命の起源」を実験室で再現し解明に挑む

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