5早稲田大学三大教旨小野 梓「学問の独立」を宣言小野梓は、立憲改進党の結成や東京専門学校の創設に精魂を傾けた人物です。大隈重信の意志に骨格を与え肉をつけ、具体的な形にしていきました。東京専門学校の開校式で演説を行い、「学問の独立」を宣言しました。「学問の独立」によって、外国の学問や支配からの独立を目指し、当時東京大学では外国語で講義を行っていましたが、日本語による講義を行い誰もが学べるようにしました。また、政治から学問を独立させることで、「権力からの独立」へと発展していきました。世界中の大学人・知識人に、早稲田大学では国際的にみて意義のある研究をしていると認めてもらえるようになること世界中の大学人・知識人に、早稲田大学では効果的な教育を行い、優れた人材を輩出していると認めてもらえるようになることどのような国や町に住もうとも、どのような組織で仕事をしようとも、世界人類のために貢献するという気概を持った人材を育成する大学になること早稲田大学の教職員の新たな決意は、「自分より優秀な教職員を採用し、自分を超えて世界で活躍するように育て、学生に還元する」というものです。佐賀・鍋島藩の武士の家に生まれ、後に長崎に出て英語や近代的な学問を学びました。明治政府においては参議・大蔵■を歴任し、近代財政を確立しました。貨幣としての「円」を誕生させ、前島密を起用し近代的な郵便事業を開始し、伊藤博文とともに鉄道を開業させ、太陽暦を導入するなど、文明開化政策も次々に推進させました。また後には、立憲改進党を組織し、1898年には日本初の政党内閣を成立させ、1914年にも第二次大隈内閣を組織しました。「一国独立の基礎は自主独立の精神にあふれた国民の形成にある」という信念を持っていた大隈重信には、教育に対する大きな情熱がありました。明治14年の政変で下野した翌年には、早稲田大学の前身となる東京専門学校を創設しました。当初は政府から謀反人の学校とみなされ、さまざまな圧力を加えられました。大隈が目指したのは、国家が必要とする人材を養成する“官学”に対して、在野的な自由主義精神に富む人材を育成することです。それが“学問の独立”をはじめとする理念となり、現在にも受け継がれています。そのために、次の3つの理念に基づく目標の実現を目指し新たな決意を固めています。早稲田大学は 学問の独立 を本旨と為すを以て 之が自由討究を主とし 常に独創の研鑽に力め以て 世界の学問に裨補せん事を期す早稲田大学は 学問の活用 を本旨と為すを以て 学理を学理として研究すると共に 之を実際に応用するの道を講し以て 時世の進運に資せん事を期す早稲田大学は 模範国民の造就 を本旨と為すを以て 個性を尊重し 身家を発達し 国家社会を利済し 併せて広く世界に活動す可き人格を養成せん事を期すWaseda Vision 150 Next Stageへ研究の早稲田教育の早稲田貢献の早稲田早稲田大学は学問の独立を全うし 学問の活用を効し 模範国民を造就するを以て 建学の本旨と為す「世界で輝くWASEDA」を目指す建学の理念
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