現 光と電波を融合した通信技術で地球全体が常時繋がる未来へ114KAWANISHI TETSUYA京都大学工学部卒業、同大学大学院工学研究科修了。博士(工学)。松下電器産業生産技術研究所勤務、京都大学ベンチャービジネスラボラトリー特別研究員、通信総合研究所(現 情報通信研究機構)勤務を経て、2015年より現職。専門は光通信技術、ミリ波技術、光と電波の融合。基幹理工学部 電子物理システム学科 教授在普及が進む第5世代移動通信システム(5G)のさらに次世代にあたる、6Gとその関連技術の研究を行っています。6G通信では莫大な数の基地局をネットワークに接続する必要があり、そこで■となるのが、光ファイバ通信と無線通信の両方を継ぎ目なく扱う技術の確立です。中でも、光と電波の中間的性質を持つ「テラヘルツ波」に着目し、高速テラヘルツ無線通信の長距離化と大容量化を目指した研究を進めています。6Gの実現は、地球全体がネットワークで常に繋がる未来の到来を意味します。6G社会で起きる変化の一例として、機械や設備のメンテナンスの概念が一変すると予想されます。現在は自動車の車検のような定期メンテナンスが主流ですが、今後はICTを駆使して状態を常時監視し、必要に応じてメンテナンスを実施するCBM(Condition Based Maintenance)へと移行していくでしょう。通信ネットワークの革新は、より安全で安定した社会を目指す上でも極めて重要といえます。皆さんが普段スマートフォンに触れる際に、通信の仕組みにまで意識を向けることはないかもしれません。しかしスマートフォンなどの身近なデバイスやシステムが、電波や光の物理的性質によって制限や影響を受けている側面は多くあります。電子物理システム学科ではそうした物理の基礎から、システム開発といった応用までを幅広く学べることが魅力です。また各教員が国内外に豊富なネットワークを持ち、大学としても海外留学のプログラムやサポート体制が充実しています。先端分野を研究する上で欠かせない国際的な視野を養うためにも、学部の段階から積極的に活動の場を世界へと広げてください。MESSAGE FROM PROFESSOR川西 哲也
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