入学案内 (日本語)
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156【人間科学部】 ゼミ紹介  マルチモーダルコミュニケーション人はコミュニケーションを行うとき、言葉以外にも、身振りや視線、表情、姿勢など、複数のモダリティ(様式)を用いてメッセージを伝えています。 私の研究室ではこうしたマルチモーダルコミュニケーションの様相とそれを支える言語・認知能力について研究しています。例えば皆さんの周りの友達や家族、先生の中に、説明や話が上手だと感じる人はいないでしょうか。その人が話す内容だけでなく、声の発し方や 視線、身体動作も含めて細かく観察することで、何が情報の伝わりやすさに関係しているのかが見えてきます。また、メッセージを伝達する際に使用する身振りなどの身体動作は、メッセージの生成自体に寄与していることもわかっており、本研究室の一つの研究テーマとなっています。日常の相互作用から生じる疑問も研究テーマとなり、普段のコミュニケーションがどのような仕組みで成り立っているのか、さまざまな発見を得られることもこの分野の 面白さです。人間科学部の特色の一つは、「人間とは何か?」という問いについて、心や身体、社会、環境との関わりも含めて深く探究できる点です。私はコミュニケーションを切り口に、この根源的な問いにアプローチしています。コミュニケーションはさまざまな要因が絡み合った複雑な現象ですから、多角的に理解する必要があります。そのためには、幅広い専門領域から知識を得ることが不可欠であり、文理の垣根なく領域横断的に学べる人間科学部は最適な環境といえるでしょう。私たちが日々何気なく行っているコミュニケーションの多面性や奥深さにぜひ触れてほしいです。専門ゼミⅠ・Ⅱ(マルチモーダルコミュニケーション)From Professorゼミ紹介言葉以外の情報伝達方法にも注目しコミュニケーションを多角的に研究身近なコミュニケーションの現象を探究コミュニケーションの研究は比較的新しい研究分野です。ゼミではまず、国内外の学術論文や関連 書籍の講読を通して、最先端の研究知見や研究手法について理解を深めます。同時に、身近なコミュニケーションの現象を観察して、観察眼を鍛えていきます。例えばYouTube動画も題材となり、人同士の会話を注意深く観察しながら、どのような行動がどのようなタイミングで何回生起するのかを記録し、研究に必要なデータ収集の基礎を身につけます。その先に取り組む実験では、視線計測装置や心拍計など、各種の実験機器や分析装置も活用します。研究活動で重要なのは、「なぜその研究を行う ことが必要なのか」という問いを常に持つことであり、周りと議論を交わしながら、自分でその問いについて考えることです。その経験を重ねてこそ、前例の踏襲ではないオリジナルの研究が可能になります。Message

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