入学案内 (日本語)
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138From Professor100年後も社会を支え続けるための技術を創り出す【創造理工学部】 「自分で考える」意識を養う私たちの生活を支える社会基盤のひとつが、橋梁やダムといった人工の 構造物です。現在、こうした構造物は100年使い続けることを目指して設計されていますが、実際に100年経った構造物はまだありません。そのため設計だけでなく、維持管理も含めて安全に長持ちさせる技術が必要になります。私の研究室では国内外をフィールドとした3つのプロジェクトを立ち上げ、自治体や企業と共同研究を行っています。例えば「ASEANプロジェクト」では、日本とタイの大学や企業などと共同で、タイ運輸省が管理する道路と橋梁の安全性向上や長寿命化を目指した技術開発を行っています。実験、解析、フィールドワークと、課題解決に向け最適な手段を用いますが、強く意識しているのは「社会に実装される」ということです。論文を書くことも大切ですが、工学ですから社会に役立つところまできっちりと作り上げることを常に意識しています。そのために、学生を社長とする研究室ベンチャーを立ち上げました。私はCTO(最高技術責任者)となり、自治体や企業、卒業生も巻き込んで、開発した技術の社会実装を実現します。創造理工学部は、実験設備、スタッフ、学科事務など、学生支援の体制が充実していると感じます。新しい実験設備もありますが、古いものも使い続ける。これができるのは、技術職員がしっかりしているからではないでしょうか。ただ、こうした恵まれた環境を活用するかどうかは学生次第です。早稲田に入ったらこの環境を活かして成長し、社会を引っ張っていく人材になるべく、志を高く学んでほしいですね。佐藤研究室(設計工学)ラボ紹介「自分で考える」意識を養う研究室に所属したら、学生は私が用意した研究テーマの中から自分のテーマを選びます。 最初は1週間に1回程度の個別ミーティングを通じて議論を深め、必要であれば軌道修正もしながら研究を進めます。慣れてきたら会う間隔を2週間、3週間…と長くしていきます。また、3、4ヵ月に1回、研究室全体の研究発表会を行い、他の学生の研究内容や悩みなどを共有します。指導においては、学生が「自分で考える」ことを大事にしています。指示することは 簡単ですが、それでは広がりと深まりがありません。正解は一つではなく、自分で考えて 導いていくのです。どのような成果に仕上がるのか最後までわからない部分もありますが、 一緒にわくわくしながら挑戦することが研究の面白さだと思うのです。Message

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