6 昼夜の学生の連携がさらに活発により豊かな学び合いが実現します専門はマーケティング。東京大学法学部卒業後、東京電力(株)に勤務。慶應義塾大学でMBAを取得。同社退社後に慶應義塾大学で博士号(経営学)を取得。新潟大学助教授、東北大学教授、学習院大学教授、仏・レンヌ第一大学ビジネススクール客員教授等を経て、2022年より現職。これまで情報通信サービス、IT系を中心に、食品、住宅、エンターテインメント等多くの企業において、特にデジタル・マーケティング戦略、顧客分析、ブランド構築、人材育成等の策定、実行支援を数多く経験。日本消費者行動研究学会会長、日本商業学会『JSMDジャーナル』編集長、日本マーケティング学会『マーケティングジャーナル』副編集長等を歴任。近著に『1からのデジタル・マーケティング』(共編著・碩学舎)などがある。澁谷 WBSは2026年度より日本語のMBAプログラムを昼・夜ともに刷新します。今回のプログラム改編は、WBSが社会や企業からの要請に応えながら、スクールとしてのミッションをより高いレベルで実現し、新時代のビジネススクールを目指すためのものです。竹内 昼間のプログラムは、従来の2種類から、標準修業年限1年の「全日制MBA」へと一本化されます。通常、MBAプログラムは2年がスタンダードであり、この改編は先駆的な試みとして大きなインパクトを世の中に与えるものでしょう。背景には、実務から離れる期間をできるだけ短くしたいという、学生自身や派遣企業からのニーズの高まりがあります。1年という短期間でMBAを取得するリスキリングの機会をより多くの学生に提供します。澁谷 この「全日制MBA」は、必ず1年で修了しなければならない、ということではありません。留学や海外プログラムなどを柔軟に選択することができ、プラス半年や1年など、学びの期間を延長することも可能です。WBSは海外トップスクール41校と学生交換協定を結んでいます。早稲田だから叶う、欧米やアジアの名門校で学ぶ機会を活用してほしいですね。竹内 夜間のプログラムは、標準修業年限2年の「夜間主MBA」に統合されます。このプログラムの特色は、各自の目的やプランに応じて学びをデザインできる自由度の高さです。これまでの夜間プログラムでは「専門性を深めることに比重を置いたプログラム」「ジェネラル・マネジメントに必要な幅広い知識の修得に重点を置いたプログラム」が分かれ、受験時に選択する仕組みでした。今回のプログラム統合により、タテの専門性とヨコの幅広い知見を合わせた「T字型」の強みを、どのようなバランスで伸ばしていくのかを学生自身が選べるようになりました。澁谷 併せて、専門に特化した学びを修了したことを認定する「コンセントレーション」の制度を新設し、ファイナンス分野から導入します。また各プログラム共通の修了要件として、従来は「必修コア科目」と「選択必修コア科目」に分かれていたものを整理し、新プログラムでは「必修コア科目」8科目の履修が修了要件となります。竹内 必修コア科目には、リーダーシップ科目が新たに加わりました。これは「全人格的なリーダーを育成する」という新プログラムの中核テーマに沿ったもので、理論的枠組みを学ぶだけでなく、リーダーとしての立ち居振る舞いや倫理的・哲学的なマインドセットの醸成も含めて、リーダーシップの本質を追究します。洞察力と倫理観を備えたグローバルリーダーの育成は、WBSの重要なミッションの一つです。澁谷 昼・夜の学生の相互交流や連携は、新プログラムではいっそう活発になると予想しています。これまでは、昼間の学生が選択履修できる夜間開講科目には上限がありましたが、今回それを撤廃したためです。また、WBSの特長として挙げられProfessors' Interview澁谷 覚 教授新時代のビジネススクール
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