早稲田大学ビジネススクール (日本語)
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7Graduate School of Business and Finance, Waseda UniversityWASEDA BUSINESS SCHOOLに基づくものです。澁谷 振り返ると、私自身もかつてビジネススクールで学んだ経験がターニングポイントになりました。当時は入社10年目で、何か明確な目的があってMBAの学びに臨んだわけではなかったのですが、結果的に得る ものは多く、その後の人生を方向付けました。池上 人生やキャリアを変えたい、あるいは現在のキャリアを強化したい、会社をもっと良くしたいなど動機は人それぞれでよく、WBSで多様な人と出会い交流する中で、より明確な目標や志が定まる人も多いはずです。これからWBSで学ぶ皆さんに私が求めたいのは「世の中や周りの人に何か役に立ちたい」というポジティブな気持ちです。「何を得るか」だけでなく「自分は何で貢献できるか」というGiveの精神を強く持つ学生ほど、大きく伸びるのを見ていて実感します。社会人としてある程度の年齢や階層になると経験が頭打ちになり成長を感じにくくなると言われますが、そうした天井が取り払われる場所でもあると思います。澁谷 いま現在、仕事に全力で取り組む毎日の中で、心のどこかに余白を持つ人は多いのではないでしょうか。それは現状への課題感であったり、新たな挑戦への渇望であったりと、人により異なるでしょう。そうした余白を満たして余りあるチャレンジングな時間と、視界が一気にひらける体験をWBSで得られるはずです。池上 WBSは答えを学ぶ場所ではなく、自分の力で最適解を導き出すための上手な試行錯誤の方法や考え方、行動の仕方を身につけられる場所です。絶えず進化するWBSで、刺激に満ちた学びのコミュニティに身を置き、キャリアや人生も含めた自らの未来を切り拓く力をぜひ手にしてほしいと思います。※1 W-IOI…Waseda In-person On-demand Integrated method※2 ERSアワード…ERS(Ethics, Responsibility and Sustainability)の趣旨に沿う在学生・ 修了生の活動を表彰するアワード経験してきたような50代の学生とが席を並べ、フラットに学び合える場はこのビジネススクールだからこそ。また在学生と教員にとどまらず、修了生や学外の企業・団体等も含めて学びのコミュニティが広がっています。私のゼミ卒業生と長谷川ゼミと合同で企業との連携プロジェクトを実施し、成果を2022年に「ミドルからの変革」という書籍にまとめました。修了生も主要メンバーとしてかかわり、在籍年次や学内外も超えたダイナミックな学びの場を象徴する取り組みになりました。澁谷 私が担当するゼミでは、日本語で学ぶ学生と英語で学ぶ学生が両言語を駆使して議論を行います。最初は苦労する学生も多いのですが、ぎこちないながらも自分の意見を伝え、周りも真剣に聞く。その積み重ねで回を追うごとに成長し、「異なるカルチャーからはそういう見方もあるのか」と視野も大きく広がります。デジタル・マーケティング分野での企業との共同研究プロジェクトも実施しています。池上 国籍も背景も多様な学生が集う環境だからこそ、グローバルな 視野が培われますね。洞察力と倫理観のあるグローバルリーダーの育成もWBSの重要なミッションです。全プログラムで「グローバル経営」が必修コア科目に設定されていることや、独自の「ERSアワード※2」を 設けてERS の趣旨に沿う活動を奨励していることも、この確固たる使命東京大学法学部卒業後、東京電力(株)に勤務。慶應義塾大学でMBAを取得。同社退社後に慶應義塾大学で博士号(経営学)を取得。新潟大学助教授、東北大学教授、学習院大学教授、仏・レンヌ第一大学ビジネススクール客員教授等を歴任。学習院大学では2020〜21年に国際社会科学部長を務めた。2022年より現職。この間、情報通信サービス、IT系を中心に、食品、住宅、エンターテインメント等多くの企業において、特にデジタル・マーケティング戦略、顧客分析、ブランド構築、人材育成等の策定、実行支援を数多く経験。日本消費者行動研究学会会長、日本商業学会『JSMDジャーナル』編集長、日本マーケティング学会『マーケティングジャーナル』副編集長等を歴任。近著に『1からのデジタル・マーケティング』(共編著・碩学舎)などがある。早稲田大学大学院 経営管理研究科多国籍の学生との議論を通じ視野は飛躍的に広がります澁谷 覚 教授を重ねています

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