早稲田大学ビジネススクール (日本語)
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6ることなく、状況の変化や学生のニーズに合わせて、残すべきもの、役目を終えるべきものを仕分け、適切にスクラップ&ビルドを行っていることは強調すべき点です。澁谷 現在は対面授業を主体としながら、少人数のゼミではオンライン併用のハイフレックス方式を活用するなど、講義の性質に合わせた使い分けが進んでいます。2023年度から夜間の一部授業に導入された、 オンデマンドコンテンツと対面授業を組み合わせた「W-IOI※1」も新たな試みです。池上 WBSでは、スクール全体で日本的な文脈を意識しつつグローバルスタンダードにも則った世界最高水準の教育を提供すると同時に、各教員が裁量を持って個性的でユニークな講義やゼミ活動を展開しています。「W-IOI」に関しても今後、それぞれの教員が創意工夫をしたりノウハウを持ち寄ったりしながら、より良い仕組みへと進化していくはずです。澁谷 Dynamic Learning CommunityもWBSを特色づける重要な要素です。教員から学生への一方向的な授業はここには存在しません。学生同士が相互に、あるいは学生と教員とで議論を深めながら、「学び合う」ことが基本です。池上 勤務先で若手社員として奮闘する20代の学生と、会社経営を 早稲田大学商学部卒業。一橋大学より博士号(経営学)を取得。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、MARS JAPAN、ソフトバンクECホールディングス、ニッセイ・キャピタルを経て、2016年より現職。専門分野は経営戦略、グローバル経営。Academy of International Business (AIB) Japan chair、国際ビジネス研究学会(JAIBS)理事・国際委員会委員、異文化経営学会理事。早稲田ブルー・オーシャン戦略研究所所長、早稲田グローバル・ストラテジック・リーダーシップ研究所幹事。2015年より東洋インキSCホールディングス社外監査役。英国ケンブリッジ大学ジャッジ経営大学院MBA、英国国立シェフィールド大学政治学部大学院修士課程国際関係学修士、英国国立ケント大学社会科学部大学院修士課程国際関係学修士。近著に『インバウンド・ビジネス戦略』(日本経済新聞社)などがある。Professors' Interview池上 早稲田大学ビジネススクール(WBS)が提供する各プログラムは、形式や内容におけるバリエーションの豊富さと、クオリティの高さを極めて 高レベルで兼ね備えている点が最大の強みです。教員陣には経験豊富な実務家教員と研究者教員がバランス良く揃い、実務家なら大手コンサルティングファームの代表経験者クラス、アカデミックでは主要な学会の会長クラスの教員が多数在籍しています。澁谷 その両者の間に隔たりがなく、教員同士が進んで情報や意見を交換しながら、より良いスクールのあり方を常に追求していて、これは私が WBSに来て最も感銘を受けた点です。実務家教員も自身の研究活動に邁進し、研究者教員も産学連携の実践的なプロジェクトに注力するなど、双方のフィールドが融合していることも早稲田ならではでしょう。池上 学生にとっても多様な教員陣から学べる意義は大きいと言えます。不確実性が高い時代に、迅速に意思決定を下して結果を出すには、理論に基づき抽象化して思考する力と、それを具現化していく実践的な経験値の両方が欠かせません。WBSがActionable Management Knowledgeをミッションの一つに掲げる理由です。澁谷 「理論ではこうなっています」という教員の説明だけで満足する学生はいませんね。既存の理論を現在の事象に当てはめたとき、どこまでは説明できて、どこは考え直す必要があるのか。学生自身のこれまでの経験やほかの授業での学びとも照らし合わせながら議論が膨らむよう、ファシリテーションに努めています。池上 私たち教員は日頃から学生に対し「世の中の変化を敏感に感じ取り、自らも変わっていくこと、果敢に挑戦すること」を呼び掛けている わけですが、WBS自体がそれを体現する組織だと実感します。コロナ禍でWBSはDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を加速させ、教育 の質を下げることなく教室以外の場所からも授業に参加できる設備を いち早く整えました。さらに、そうして作り上げた先端的な設備に固執すよりダイナックに多面的にコミュニティが発展しています池上 重輔 教授WBSも絶えず挑戦と進化

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