八波 直樹 やつなみ なおき 1年制コース(2020年3月 修了)在学生・修了生の声Graduate School of Education, Specialization in Advanced Teacher Training教職大学院での学びは、現場に戻ってから活用できるものがほとんどでした。例えば、授業づくりについては、学級経営についての理論を体系化し、子ども達の実態に応じて人間関係を育むためのプログラム立案について学びました。私の「バイブル」ともなり、担任をもち子ども達とかかわることが今まで以上に楽しくなりました。また、そのような方法論だけでなく、校内研究体制構築についての授業では、校内マネジメントや校内の研究構想を考えるヒントにつなげることができました。実際に、研究主任や人権教育主任を担当したときに学んだことが活用できました。さらに、教育法規の授業では、法やガイドラインに基づく教育実践の重要性について考えさせられ、危機管理の意識が高まっていったように感じます。日々の教育実践ではとかく方法論に走りがちになってしまいますが、教職大学院でのすべての学びが、自身の教育観の根底につなげられるものばかりで、学んで良かったと思っています。現在は教育委員会の指導主事という立場に変わり、市内のすべての子ども達や先生達のために何ができるかを考えています。「子どもファースト」「現場ファースト」という視点をこれからも忘れず、邁進していきたいと思います。 専門職大学院の大きな役割は専門職としての進路を保障することです。本大学院はそうした役割を確実に果たしているといえます。本教職大学院の教員就職率は高く、その多くは中学校、高等学校に就職しています。 右の表は、2年制コースを2024年3月に修了した学生の進路状況です。教員採用他進路●大田市教育委員会 指導主事●(公財)日本教育公務員弘済会島根支部「教育実践研究論文」 最優秀賞(令和5年度)、優秀賞(令和4年度、令和6年度)●教員免許:英語(中学校・高等学校)、社会(中学校)、地理歴史・公民(高等学校)、小学校、司書教諭●教員免許:小学校、英語(中学校)、保健体育(高等学校)●教員免許:国語 中学校・高等学校●教員免許:英語(中学校・高等学校)専任臨任・非常勤専任臨任・非常勤公立学校私立学校民間企業12名1名3名0名2名15樋口 悠 ひぐち ゆう1年制コース(1年次在籍)村上 温咲 むらかみ あづさ2年制コース(1年次在籍)松田 萌々子 まつだ ももこ2年制コース(2年次在籍)◆2年制コース修了生の状況在学生の声修了生の声「経験」に「理論の光」を当てて見えてくる新たな可能性 教職大学院での学びは、教育における実践と理論を結びつける貴重な日々でした。これまでの教育現場での経験に、理論という新たな光を当てて、深く考え直すことができました。 専門性豊かな教授のみなさんによる幅広い分野の講義があり、現代の教育が直面する課題を多角的に考察する機会が多くあります。この探究的な学びを通じて、現場での指導が単なる技術ではなく、児童生徒の学びを広げ、新たな可能性を引き出すための工夫と挑戦の連続であることを実感しました。 臨床実習では、個々の興味に応じた教育実践に挑戦することができます。私は生成 AI を活用した創造的な授業実践に取り組みました。児童生徒が AI と協働して生成物を作り上げる中で、思考や表現の幅が広がる様子に、新たな教育の可能性を垣間見ることができました。 みなさんも教育者として、また一人の学び手として、成長できる環境に身を置いてみませんか? 教育の未来を切り拓く、千姿万態な学びの場学部時代、私は文学部で近代文学を研究しながら教職課程を履修し、「生徒指導」に強い関心を抱き、専門的な知識や技術を身につけるため教職大学院への進学を決意しました。教職大学院では、多様な校種や教科の仲間と共に学び、自由闊達な議論を通じて教育者としての力量を磨くことができます。さらに、教授陣は教育の最前線で活躍するスペシャリストですので、最先端の理論や実践を直接学べる環境が整っています。また、教授陣が多様な分野に精通しているため、学会やシンポジウムへの参加や実践現場の見学など、大学の枠を超えた学びの機会も豊富です。このように、得られる知識や経験は多岐にわたり、視野を大きく広げてくれます。志を共にする仲間や指導者と切磋琢磨しながら、教育の未来を共に切り拓きませんか。かけがえのない仲間との出会い教職大学院の1 番の魅力はストレートマスター、現職、教科、校種を問わず、さまざまな経験や考えを持つ仲間たちが対等な関係で学び合えることだと思います。理論を学ぶ授業や模擬授業でのディスカッションはもちろん、院生自習室での何気ない会話も全て刺激的でした。それぞれの学生が持っている問題意識は非常に面白く、いつも熱心に自身の研究課題と向き合っている仲間を見て、「私も頑張らないと」と何度も励まされました。また、実習担当の教授はもちろん、教職大学院の教授陣全員が学生を見守っているような温かい雰囲気の中で学べることも早稲田ならではの魅力だと思います。教授と学生の距離が近く、自身の課題について質問すると、学習会や授業観察等の学びの機会や、参考になる書籍・論文を紹介してくれます。私も国内外問わず様々な研修会に参加し、教職大学院ならではの学びを得ることができました。 ぜひ、教職大学院で充実した2年間を過ごしてみませんか?学びの深化在学生・修了生の声
元のページ ../index.html#17