スポーツ科学研究科 (日本語)
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123幅広いスポーツ科学のプロフェッショナルを育む研究と現場を繋ぐ̶女性アスリートにおける 膝前十字靭帯損傷の 予防策開発スポーツ医科学の専門知識を身につけた研究者および高度職業人スポーツ文化の発展に貢献することのできる研究者および高度職業人スポーツビジネス実務者への高度専門教育を通じてのスポーツ界をリードする高度職業人西川 百合子博士後期課程北海道大学医学部保健学科北海道大学大学院保健科学院出身日本の伝統スポーツを守り広げていく̶相撲による地方創生研究紹介私の研究テーマは、「女性アスリートにおける膝前十字靱帯損傷の予防策開発」です。膝前十字靱帯損傷は、長期離脱を余儀なくされる怪我で、特に女性に多いことが知られています。女性に多い要因は多岐に渡りますが、私はホルモン因子に着目しています。月経周期と競技中の動作の変化を研究し、それに基づいた予防策の開発をめざしています。私自身、理学療法士としてスポーツ現場に関わり、この怪我に苦しむ選手を目の当たりにしてきました。また、怪我を予防するために懸命に取り組む人々の姿も見てきました。だからこそ、より実践的な予防策を研究し、スポーツ界に還元することで、怪我で苦しむ選手を1人でも多く減らせるよう日々努めています。研究科の魅力本学スポーツ科学研究科の魅力は、異なるバックグラウンドを持つ研究者が集うことで、多角的な視点で研究に取り組める点です。研究室には、専門知識と豊かな経験を持つ教員を初め、様々な競技に精通した、トレーナーやストレングスコーチ、また現役の選手としてスポーツに携わりながら研究に取り組む人が多くいます。そしてそれぞれの立場で、研究成果をスポーツ現場に還元するために励んでいます。そんな環境下で行われる議論は、自分では気づかない視点で意見を交わすことができ、より研究を深く、有意義なものにしてくれます。研究紹介私の研究テーマは相撲と地方創生です。相撲経験者として、相撲の競技人口の減少とファンの高齢化という現状を目の当たりにしていました。そこで、日本の伝統スポーツである相撲をスポーツビジネスの視点から改名して地域創生に活用する方法を提案したいと思っております。そのためには、他のスポーツとの比較、観戦者の属性分析をおこない、現状の相撲の課題を発見していくことが必要です。また、地方創生においても相撲をツールとしてするだけでなく相互作用させ相撲界の発展と普及にも貢献したいと思っています。私の研究にはスポーツツーリズムや健康スポーツなど幅広い知識が必要です。本研究科の講義で、幅広い知識を身につけて自身の研究にも活用していきたいです。研究科の魅力本研究科では、スポーツを幅広い視点で見ることがきるのが魅力の1つです。現代社会におけるスポーツの位置づけや活用方法などから、経営学からの応用やアメリカのスポーツビジネスとの比較など、多角的な視点から学びを深めることができます。2つ目の魅力は環境の充実です。本研究科には各分野のトップ研究者が在籍し、多様な視点から指導を受けられる環境が整っています。また、トップレベルの元競技者や熱心な学生と共に研究おこない切磋琢磨できる環境も魅力的です。※写真提供:早稲田スポーツ新聞会 ※本冊子の内容は、特に注記がない限り2025年度時点の内容です。学生の声土屋 和也人間の日常生活活動において、スポーツは深く浸透し、私たちの生活に多くの影響を与えています。スポーツに関わるさまざまな課題を対象として、研究と教育を総合的に実施するために設置されたのが早稲田大学大学院スポーツ科学研究科です。本研究科では、スポーツ科学に期待される社会的要請の高まりに対応し、スポーツ関連の幅広い事業分野で専門職者として活躍する人材を育成することをめざしています。育成する人材像は、以下の通りです。以上の学術研究者および高度職業人を育成するために、本研究科では、スポーツ文化、スポーツビジネス、スポーツ医科学、身体運動科学、コーチング科学の5つの研究領域を設けて、各々の研究成果を教育還元します。さらに、実務経験者を対象とする修士課程(1年制)を設置し、スポーツマネジメント分野等の実務者教育を行っています。大学院学生は、所属する研究指導の演習に専念するほか、さまざまな分野の講義・演習を履修することによって、スポーツ科学に関わる最高度の研究成果を修得することができます。これらの学生が社会へ羽ばたき、スポーツに関わる多彩な分野で活躍することを通じて、「豊かなスポーツ文化の創造」に資することが、本研究科の理念です。修士課程早稲田大学スポーツ科学部出身GRADUATE SCHOOL OF SPORT SCIENCES, WASEDA UNIVERSITY 02VOICE

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