薄膜機能材料研究室(植田研)は、2022年よりスタートした比較的新しい研究室です。研究室主催者の植田は大阪大学にて博士号(理学)を取得しましたが、博士課程在籍時から現在の早稲田大学大学院情報生産システム研究科(IPS)に至るまでの30年弱の間、薄膜材料・デバイス研究に継続して従事してきました。 我々の研究室では多彩な成膜装置(プラズマ化学気相成長(CVD)装置や分子線エピタキシー(MBE)装置、スパッタ装置)を有しており、多様な材料を薄膜化できる環境にあります。現在の電子デバイスは色々な材料を薄膜化し積層させる事でデバイス化が為されていますが、本研究室でも上記の装置を用いて成膜し、微細加工を行う事で電界効果トランジスタ(FET)や光センサアレイ等様々なデバイス作製を行っております。この様に、我々の研究室ではターゲットとなる材料を薄膜化し、できる限り高品質化した上で新機能・高性能デバイス作製に繋げる、即ち材料合成からデバイス作製まで研究室で一貫して行い革新的デバイス作製に繋げるというのが1つの売りとなります。 近年、我々の研究室では半導体工学をベースに、ダイヤモンド半導体やグラフェン等の炭素材料を用いた新機能・高機能デバイス作製に力を入れています。本研究室に所属する学生の皆さんは半導体技術の中で特に前工程と言われる部分、即ち、成膜や微細加工技術(リソグラフィやエッチング等のデバイス化技術)に加えて、FETやダイオード等の電子デバイスの電気特性評価を自分の手で行う事ができる為、半導体を中心とした材料・デバイスメーカー等で即戦力となれる技術を身に付ける事ができます。 現在2つのテーマを研究室の柱としており、(1) ダイヤモンド半導体を用いた高性能パワーデバイス開発、(2) ダイヤモンド半導体/グラフェン界面での新機能探索とデバイス応用(特に新規脳機能模倣光センサ開発)に関する研究を行っております。特に、(1)に関しては2024年度から国プロ(NEDO先導研究)にて、Power Diamond Systems (PDS) 社及び九州工業大学との共同研究の形で高性能ダイヤモンド縦型FETの開発を行っており、実用レベルのダイヤモンド縦型パワーFETの開発を行うべく日々研究を進めております。 この様に我々の研究室では薄膜結晶成長や新材料開発・デバイス作製を主体として研究を行っておりますが、もし興味がありましたら是非一度研究室を覗いてみて下さい。我々の研究室では自分の手で新材料・デバイスを作り出したい学生やナノテクに興味のある学生さん等を常時募集しております。是非私達と一緒に研究を行いましょう!当研究室保有の成膜装置(右上、左上)と作製デバイス例(右下、左下)研究紹介生産システム分野薄膜機能材料研究室(植田研二研究室)薄膜成長技術による革新的新材料・デバイスの創製を目指して08
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