19在学生修了生日本語教育の各分野に精通した先生方から直接学べる環 境は、日研の最大の魅力だと思います。また、それぞれに問題意識を持って独自の視点で研究を進めている在学生の背景も多様で、研究以外のことについても日々議論を深められます。学内に発表できる学会と投稿できる紀要があること、そして 学外の研究機関などに卒業生のネットワークが広がっている ことも、研究を進めていく上で心強く感じています。在学中は学会発表や論文投稿にも積極的に挑戦し、研究会や共同研究への参加の機会も増えて、修士のときに比べて視野が格段に広がったと感じます。また日頃から研究室の枠を超えて、日研生同士でキャリアや日々の生活のことも含めて深く語り合う場面が多くありました。同じように頑張っている仲間や、ロールモデルとなる先輩の存在がモチベーションの維持につながりました。2021年に満期退学し、博士進学から数えて9年後となる2024年に博士学位を取得しました。現在は大学で留学生に向けた日本語教育に携わってい ます。日研での学びを活かして経験を積みながら、日本語教育や国際交流に貢献したいと思います。これから日研に入学 する方もぜひ、研究室の内外で積極的に日研生や教員と対話を重ね、学会などにも臆せず足を運んで経験の幅を広げてください。博士課程博士課程約10年の教育実践を経て専門性を高めるため日研へ。研究成果の発信にも注力したい大学を卒業して日本語教師として働き始めた当初から、いつか大学院に進学したいという希望を持っていました。決断したきっかけはコロナ禍による環境や状況の変化です。時代の変化に対応しながら教育に携わっていく上では、より広い視野と専門性を身につける必要性があると強く感じ、日研に入学。修士論文を進めるなかで、研究をさらに深めて発信していきたいとの思いが強まり博士後期課程への進学を決めました。現在取り組む博士論文では、修士での研究テーマを発展させて、日本で暮らす外国人の日常生活や人生を支える日本語教育について研究を計画しています。論文や本を読んでいると、今まで抱えていたもやもやが晴れたり、点と点がつながったりする瞬間があり面白さを実感します。博士課程進学を機に日本語学校を退職し、奨学金や助成金などのサポートを受けながら研究活動に専念しています。今後は研究に関連したさまざまな仕事や活動にも携わりたいと考えています。研究に励む仲間の存在を支えに日本語教師を続けながら9年をかけ博士学位を取得大学時代、授業でレポートや論文を読んだり書いたりすることに苦手意識がありました。アルバイト先の留学生と話すなかで、日本人でも難しいと感じる学術的な文章作成を、留学生はどう習得するのだろうと考えたことが日本語教育学に関心を持ったきっかけです。日研に進学し、学術論文の要旨の文章構造をテーマに修士論文に取り組むうちに、さらに掘り下げて研究したくなり博士後期課程に進みました。その一方で、現場経験が圧倒的に足りないとの思いもあり、研究と並行して、日本語学校や大学で日本語を教える仕事を始めました。神 美妃2024年9月博士後期課程入学和光大学表現学部で日本語学ゼミに所属。2013年に卒業後、都内の日本語学校に日本語教師として勤務。仕事を続けながら2022年より当研究科修士課程で研究に取り組み、2024年9月に博士後期課程に進学。現在は研究活動に軸を移し、国立国語研究所の「定住外国人のよみかき研究」プロジェクトにも共同研究員として参画。三谷 彩華2024年7月博士学位取得2013年に青山学院大学教育人間科学部を卒業後、当研究科修士課程に進学。2015年、博士後期課程に進学。日本語学校や大学で留学生に日本語を教えながら、2021年まで博士後期課程に在学し研究に取り組む。2024年7月に日本語 教育学の博士号を取得。現在は江戸川大学国際交流センターで講師を務める。
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