会計研究科 (日本語)
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PickUpPickUp■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■保険数理の専門職としての知識を議論の中で学ぶ生保理論ワークショップ大塚忠義 教授独力では困難な「未出題対策」と「大問対策」で万全な試験対策生命保険年金サイエンス損害保険ERM・データ 「生保理論ワークショップ」は、生命保険事業で専門職として業務を遂行していくうえで求められる知識を議論をとおして取得する演習科目です。 試験に合格してアクチュアリー正会員資格を得たとしても、専門職として保険数理業務を行っていけるわけではありません。キャリアを蓄積してアクチュアリー部門のリーダー、さらには経営を担う立場として活躍していくためには、関連する広範な分野についての知識と経験を得ることはもとより、他分野の専門家と議論を交わし方針を決定していくことが求められます。 当ワークショップでは、生命保険数理の基礎となる理論について消費者ニーズ、経済状況、人口・疾病構造の変化などを踏まえて議論を行います。授業は、毎回テーマごとに担当者の発表とそれに適正な保険料の算定や将来の保険金・給付金の支払いに備える責任準備金の評価などのほか、企業の健全性の観点から、経営企画・リスク管理などのセクションにおいても重要な役割を担っています。企業ニーズを踏まえ、企業年金制度を設計し、確率・統計の手法を用いた年金数理計算により掛金を算出します。企業年金制度の見直しの際には、コンサルタントとしての問題解決能力も期待されています。アクチュアリー確率・統計・数学総合演習 対する議論をベースにゼミ形式で進めています。テーマはアクチュアリー資格試験第2次試験(専門科目)生命保険コースの出題範囲から選択しています。参加者には議論に参加し意見を表明することを求めます。また、複数回実務家アクチュアリーをお招きして現在の業務に係る話題を提供していただき議論を進めることも本科目の特徴です。 この講義での基礎となる知識・概念は、「生命保険の理論と実務」「損害保険の理論と実務」「企業年金の理論と実務」「エンタープライズ・リスク・マネジメント」をはじめとする講義科目で学ぶことができます。これらの講義では、それぞれの分野における制度、商品、会計、法規、プライシング、負債評価、必要資本、収益分析に係る理論およびそれらの実務への活用を学びます。 アクチュアリー資格試験の「数学」科目はここ数年で出題傾向が大きく変化しています。特に以下の傾向変化により、従来のように公式暗記と過去問対策だけで合格を目指すのが厳しくなっています。①小問の長文化・複雑化により単純に公式運用で解ける問題が減少②過去問にない出題パターン(未出問題)が増加③大問(長文穴埋め問題)への配点が増加 このような環境下で合格点を取れるよう、「数学」は 以下に重点を置いた講義・演習を行っています。①演習問題は自作の「未出問題」や「大問」で構成し、確率・統計の本質的な考え方を教えることで、未出問題と大問穴埋めへの対応力を養う②独力では対策が難しい「未出題範囲」も網羅的にカバーした講義と問題演習で対策に万全を期す カリキュラムとしては春学期にかけて、講義と演習を週1コマずつ行って出題範囲を網羅し、秋の演習では最新の傾向から出題予想して自作した大問中心の演習を行うことで、合格に不可欠な「大問対策」も充実させています。他にも「ケアレスミスの防止法」や「方針の分からない問題への対処法」などのコツも伝授していくことにより、難化する試験に対して合格可能性を最大限に引き上げられるよう指導しています。発生頻度・規模が様々な保険事故に関して、『多種多様なリスク』を統計的に分析しながら商品開発や保険料の設定などに携わります。また、キャットボンドや天候デリバティブなどの金融商品の開発も行います。近年アクチュアリーの業務範囲はERMやデータサイエンスの分野に拡大しています。ビッグデータの活用により、今後ますますリスク管理や経営意思決定への貢献が期待されています。+++++09野村 俊一 准教授授業科目[拡がる多様なフィールド]Actuary

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