1くためには、理工学系の技術だけでなく、政治学、経済学、哲学や心理学といったほぼ全ての人文社会系の英知が必要です。 このように今日人類が抱える課題の多くは総合的なアプローチが必要です。そのため、早稲田大学では既存の枠組みを越えてダイナミックに展開する研究のあり方を重視しています。本学の創立者である大隈重信は「一身一家一国の為のみならず、進んで世界に貢献する抱負が無ければならぬ。」という言葉を残しました。多様な価値観が入り混じる早稲田の大学院に進学する皆さんは、自身の専門分野にとらわれることなく、学んだことを世の中に役立てるような研究に取り組んでください。本学にはそんな皆さんの意欲に応える総合的な研究環境があります。自らが興味深い、やりがいがあると思うことを追求し、社会に貢献したいという意欲があれば、是非とも早稲田でともに学びましょう。「たくましい知性」「しなやかな感性」 「ひびきあう理性」を磨いてほしい早稲田だからこそ発揮できる 総合的な研究力早稲田大学総長 田中 愛治Waseda University President Aiji Tanaka これから早稲田大学の大学院で学問を究めようとする皆さんには、必要な心構えとして3つのキーワードを贈りたいと思います。それは「たくましい知性」「しなやかな感性」「ひびきあう理性」です。今、社会や人類はさまざまな課題に直面していますが、今後も未知の感染症によるパンデミックや大規模な自然災害、予測不能な政情不安など、多くの問題が起こりえます。これら答えのない課題に立ち向かい、解決するために考え抜く力を、「たくましい知性」と私は呼んでいます。また、性別、年齢、国籍など、多様な属性を持つ人々が共存する社会では、自分とは異なる人々を理解する能力も必要になります。そうした「しなやかな感性」がなければ、誰もが納得できるような問題の解決策を提示することは困難だからです。さらに、研究に取り組む際は、他者の意見に耳を傾け、自分の意見も述べて、お互いの思考が共鳴することで高め合う経験も大切です。他者の理性との交流、すなわち「ひびきあう理性」は、研究内容をより高い水準に導いてくれるでしょう。 本学は、文理を横断した研究の一環として、「カーボンニュートラル社会研究教育センター」を中心に、全学の研究をカーボンニュートラルの実現に向けて結集しています。これまでの化石燃料に頼った大量消費型社会を転換し新しい社会を作ってい文理横断の総合的な研究に取り組み、「世界で輝くWASEDA」へ
元のページ ../index.html#3