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tnemmoC50社会人経験後、建築を学び始めた私の人生は、遠回りしているように見えますか?家業が建築関係ということもあり、幼いながらに、この業界で働くということは、知力と体力の両方を必要とする、大変なことであると認識していました。そのため、当時自分に自信がなかった私は、建築に興味があったものの、好奇心だけでチャレンジできるほど強くはなく、賃貸チラシの間取りに家具レイアウトを描くだけ、それだけで満足したかのように、自分の気持ちに蓋をしていました。月日が経ち、得意だった文系の道を歩み続けた私は、好きなことに全力で挑み続け、大学を卒業。新卒で入社したワイン商社では、食事とのペアリング、歴史や栽培方法等あらゆる角度からワインに向き合い、充実した毎日を過ごしていました。そんなある日、ふと「ワインを楽しむ空間は、人それぞれ違う。その空間の違いによって選ばれるワインも異なる。では、その空間とはどんなものか。」と疑問に思い、それと同時に、胸の奥にひっそりと隠していた建築に対する想いが芽吹いた、そんな気がします。それから先は、今思えばあっという間でした。父に紹介され、先ずはナイトオープンキャンパスに参加。そこで聴講した前校長・古谷誠章先生の「建築は、人間が衣類の次に身に着けるものである」という言葉に、「私の抱く、空間に対する疑問や建築の在り方を考えるためのヒントはここにある」と直感し入学を決意しました。何度考えても、普通だったらこれまでの道のりは遠回りです。しかし、入学してみるとその概念は壊れます。なぜなら、過去の経験がなければ、私が今まで創造してきた作品は生まれなかったからです。設計課題で行われるエスキスという過程は、自らのバックグラウンドから沁みだした意見や考えが建築言語に変換する時間です。先生方は多種多彩な生徒それぞれにあわせて、つたない変換でも理解し、あらゆる可能性を見つけ、広げてくださいます。また年2回ある外部公開型の作品展(芸術展/卒業設計展・学生作品展)では、多角的な意見や講評に刺激され、作品づくりに対する熱意や建築に対する考え方が洗練されていきます。そしてまた、建築の面白さに魅せられます。恐れず、思いのままに踏み出してみると、案外気持ちよくことが進むかもしれません。私は、今このタイミングで建築を学んだことで、自分らしさを見つけた気がします。3rd yearDiploma class comment建築都市設計科3年在籍神田外語大学外国語学部国際コミュニケーション学科卒業ワイン商社〜総合建築会社(家業)勤務北 真奈美KITA Manami在校生の声Commentstudent

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