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tnemmoC©長浜功明 48「入学した経緯」と「入学してからの話」、「ダブルスクール生としての話」の3点に関してお話しさせていただきます。私が建築の道を志した原点は、建築士である両親の元、住居兼設計事務所という環境で育ったことにあります。幼い頃から両親の仕事現場に同行し、全国各地の建築や多くの専門書に触れる中で、建築はごく自然に私の日常の一部となっていました。しかし、5歳からテニスに打ち込んできたこともあり、建築への興味は抱きつつも、それを専門的に学びたいという意識は大学進学時まで明確ではありませんでした。早稲田大学進学後も体育会庭球部に所属し、テニスに明け暮れる日々でした。建築学科ではなかったため、学問として建築を学ぶ機会はないと思い込んでいました。転機が訪れたのは大学3年生の時です。所属する人間科学部で建築設計に触れる授業を履修した際、その奥深さと創造する楽しさに心を掴まれ、建築への熱意が再燃しました。この経験から、大学では建築人間工学というソフト面からアプローチしつつ、実際に「形にする力」を養いたいという思いが強くなり、実践的な設計スキルを夜間でも集中的に学べるこの芸術学校への進学を決意しました。芸術学校での日々は、まさに挑戦の連続でした。大学での卒業研究や、引退までは庭球部主将としての活動と並行し、設計課題や製図に没頭する毎日。特に芸術学校の1年生の時(大学4年生)は、卒業研究と主将の重責も担っており、時間的にも体力的にも極限に近い状況でしたが、休む間も惜しんで取り組みました。設計課題では、コンセプト立案からディテールに至るまで、先生方や学友たちと徹底的に議論を重ね、自らのアイデアが少しずつ形になっていく過程に、大きな達成感と喜びを感じました。この大学と芸術学校でのダブルスクールという環境を乗り越えた経験は、私を大きく成長させてくれていると実感しています。建築の知識やアイデア力だけではなく、何よりも困難な状況でも諦めずに目標を追求する精神的なタフさが鍛えられました。現在、大学院で建築人間工学の研究を進める中でも、芸術学校で培ってきた設計の知識や空間を捉える視点が、研究を多角的に深める上で大いに役立っています。今後も、この芸術学校で学ぶ実践的な「ハード」のスキルと、大学院で探求する理論的な「ソフト」の知見、この両軸を大切にし、建築への理解を深め、将来社会に貢献できる力を養っていきたいと考えています。2nd/3rd yearProfessional class/Diploma class comment建築都市設計科2年在籍早稲田大学人間科学部 卒業早稲田大学大学院人間科学研究科 在学中学生時代から漠然とした建築への興味がありましたが、全く別の業界に就職し働いていました。安定はしているが刺激のない日々…一度きりの人生、せっかくならばやりたいと思っていたことにチャレンジしてみよう、そんな勢いと単純な興味でこの学校に入学しました。私が考える芸術学校の魅力は大きく二点です。一点目は、建築を多角的に考える視点を学べる事です。設計課題のエスキスでは、学生と先生方の熱量がぶつかり合います。どうしたら自分が表現したいことをカタチにできるか、よりよい建築になるかを、先生方は学生と一緒になって真剣に考えて下さります。いただけるアドバイスは設計の技術に直結するものだけでなく、そこから派生して歴史や社会・文化や芸術など多岐の分野にわたります。先生方の知見の広さに圧倒されると同時に、建築というものがそれ単体で存在しているわけではなく、社会や文化の一部として存在していること、あらゆる分野を横断して考えなければならないものであることを実感します。座学においても同様で、様々な分野の断片的な知識が、建築という世界を通して繋がっていく感覚が得られるのも、芸術学校で学ぶ面白さではないでしょうか。二点目は、個性豊かな仲間から気づきを得られる事です。同一の設計課題に取り組んでいても、出来上がる作品はひとつひとつ全く違います。各々の学生が、どんな過程を経て何を意図して設計したのか、その“解き方”の説明を聞くたび、自分にはない発想や視点に気づかされます。そしてその多岐にわたる視点は、学生が持つバックグラウンドに裏付けされたものであるとも感じます。得られる気づきと刺激の多さは、多種多様な背景を持つ人々が集っているこの学校ならではの醍醐味です。また、建築とは全く別の業界からこの学校に飛び込んだ私ですが、遠回りのように思える今までの経験も、無駄なことではなかったのではないかと思えています。毎日仕事をしてから授業に向かい、課題をきちんとこなすことは、想像していた以上に大変です。しかし、その大変さ以上に、社会人になってから学べることの楽しさを毎日実感し、充実した日々を送ることができています。建築都市設計科3年在籍早稲田大学人間科学部卒業損害保険会社勤務を経て現在学業専念中鈴木 蒼平SUZUKI Souhei永原 和奈NAGAHARA Kazuna在校生の声Commentstudent

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