ssac llianosseforP2nd yearProfessional class comment47転勤族の父と築いた私の引越記録は、私自身が金融の世界に進んだことで更新を続け、日本を含む計4か国19回に及びます。子供の頃から音楽や写真に関わっていたこともあり、各地のコンサートホールや美術館、教会等を訪れる機会も多かったのですが、長い間、「〇〇が行われる場所」に過ぎなかった建築物が突如主役に躍り出たのは、学生時代訪れたバチカンのサン・ピエトロ大聖堂に足を踏み入れた瞬間でした。打ちのめされたような感覚で何時間も教会の内外を歩き回ったことをきっかけに、国内外で移り住んだ数々の場所で、家、学校、鉄道の駅舎、教会等々、周囲に存在した建物の数々が、必ずその土地の人々の生活…気候や文化、宗教、等々…と深く関わっていたことに思い至り、強烈な興味が湧いてきました。長く続けた仕事に区切りが見えた時、建築か写真かと悩みましたが、写真は手段として建築と関わりたい、それにはまずきちんと建築を学びたい…あちこち学校を探す中、オープンキャンパスやワークショップに参加して芸術学校への入学を決めました。芸術学校の一番の「推し」は、何と言っても多彩なキャリアをお持ちの先生方による授業です。ご自身主宰の設計事務所における受賞経験、大手ゼネコンで誰もが知る大プロジェクトへの参画実績、学部/大学院で教鞭をとられるほか学外での専門家としての活動、等、数々の「生の」経験談は非常に興味深く、「理論」と「実践」を同時に学ぶ貴重な機会です。設計課題では学生1人ひとりと真剣に向き合って作品にコメントして下さり、更には大学院生等がTAとして細かな面でサポートして下さる…資格試験予備校は勿論のこと、他校に類を見ない贅沢な環境だと思います。2つ目は早稲田大学との繋がり。学部との交流授業や大学院進学への道があることもそうですが、まずは膨大な資料を持つ図書館をはじめとするキャンパス内の様々な施設を学部生/院生と同様に使えること、2,3年生専用の部屋「スタジオ」では各人が席をもらえ、遅くまで作業できること、などは非常に魅力です。そして、幅広い年代かつ多種多様なバックグラウンドを持つクラスメイトと一緒に学べる事。異なる価値観や感覚に基づく斬新な着眼点や発想には常に新鮮な驚きと学びがあり、ほとんど最年長に近い私は日々刺激を貰っています。各地の建築を訪れ、その建築に関わられた先生自らがレクチャーして下さる「建築セミナー」や、発表の場でもある芸術展への参加、先生の事務所を見学させていただいたり、と充実した日々です。建築科2年在籍早稲田大学法学部卒、仏・INSEAD MBA金融機関勤務を経て現在学生秋庭 敦子AKIBA Atsuko在校生の声Commentstudent
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