kahsoYUZUAMAHaTHOTASi ii 512013年度建築都市設計科卒名古屋市立大学 大学院芸術工学研究科 建築都市領域 講師。博士(人間科学)。1988年東京生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科と並行して、早稲田大学芸術学校(建築都市設計科)に在籍。「ワーカーの個人属性とオフィス内行動毎の環境選好の関係 多様な知的活動の支援環境に関する検討」で2020年度日本建築学会東海賞(論文賞)受賞。2015年度建築都市設計科卒1991年生まれ、東京都出身。早稲田大学人間科学部人間環境学科在学中に、早稲田大学芸術学校へ入学。建築都市設計科卒業。卒業後、リスボン大学建築学部建築専攻修士課程(Mestrado integrado em Arquitetura, Faculdade de Arquitetura, Universidade de Lisboa)へ進学。2019年3月修士課程修了。私は、早稲田大学の大学院人間科学研究科での修士1年から博士1年にかけての3年間と並行して芸術学校で学びました。幅広く学際的な人間科学研究科と、建築デザインについて非常に専門性高く学ぶことのできる芸術学校、それぞれにおける学びから建築や空間について考えられる点が、研究者としての自分の強みになっていると強く感じます。名古屋に来てからは、元々専門としていたオフィス研究に加えて、地元の工務店と『子どもの主体性を引き出す遊具』を展開するために、幼稚園の先生方ともディスカッションをしながら調査に基づいた遊具提案を進めていたり、豊田市に製材工場を持つ林業会社と内装木質化の実証評価を行なったりしています。「...夜な夜なコック場の硝子戸の中から燈火がもれる...」ように、夜な夜なスタジオやシルマンホールの窓から蛍光灯の明かりがもれ、そこで起こっている出来事の雰囲気が東京の一画で発散されている。それが、私の記憶する芸術学校の印象です。大学在学中に、芸術学校へダブルスクールで入学しました。それぞれの学生の個性を一貫して擁護しながら設計計画を批評してくださる鈴木 了二先生の視座、膨大な知識から設計計画を新鮮かつ論理的に展開していくことを教えてくださった萩原 剛先生のご指導。そういった先生方の真剣な態度や教えが今の自分を形成しています。そして、そそれぞれ、ポストコロナ社会で活躍する子どもたちに求められる資質(主体性)を考えたり、SDGsが叫ばれる中で地元木材の地産地消サイクルへの貢献を考えたりという大局的な視点に対して、最終的に実際の遊び場面や室内空間という空間的・身体的な対象をどのように提案していくかを考えて取り組んでいます。昨今の変化の激しい社会において、研究で得られる理論的な知見を実際の建築や空間提案へと連続的につなげることの重要性が高まってきている中、社会的な課題に対してデザインの力でどう応えるのかという視点を踏まえて研究活動をするにあたって、芸術学校での3年間が非常に力になっていると感じています。ういった関係がこれからの建築をより豊かで多様なものにしていくのだと信じています。まるで、ポルトガルの建築家 フェルナンド・タヴォラが、世界中がインターナショナルスタイルに熱狂している真っ只中に、ヴァナキュラーな建築を再考することの重要性を当時学生であった、アルヴァロ・シザや、ソウト・デ・モウラに教え、それが現在のポルトガルの建築や都市を豊かにしているように。そんな「雰囲気」「バイブス」をもった活動の場というのは、現代の標準化が加速する社会にどれだけ残されているでしょうか。その中に足を踏み入れ参加できたことを、私は心から良かったと思っています。佐藤 泰SATOH Tai浜渦 良明HAMAUZU Yoshiaki卒業生の声
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