.iiramHAWAKASi I IkuyuFONKAM482009年度 建築設計科卒1986年生まれ、新潟県出身。お茶の水女子大学生活科学部とのダブルスクールを経て、早稲田大学芸術学校建築設計科卒業。横浜国立大学大学院建築都市スクール/Y-GSA修了。建築設計事務所CAt (Coelacanth and Associates tokyo)勤務を経て、2013年に「TSUBAME ARCHITECTS」を設立。2006年度 建築設計科卒1975年生まれ、長野県出身。早稲田大学理工学部情報学科を卒業後、大学院で文化人類学を専攻。民間企業勤務と並行して早稲田大学大学院博士課程へ進学し、その後スイスのチューリヒ大学大学院博士課程民族学教室へ留学。帰国後、早稲田大学芸術学校へ入学。博士(学術)、1級建築士。専門は文化人類学と建築計画。お茶の水女子大学・早稲田大学大学院文学研究科などで非常勤講師を歴任。現在、東洋大学教授。芸術学校を卒業して、大学院に進学した後、2013年に3人で設計事務所を設立しました。大学院に進んだ当初からフィリピンの不法占拠地域を対象にフィールドワークをしてきました。建築を研究成果の社会還元の方法と捉え、人類学や民俗学を根っこに、いろいろな分野から建築にアプローチをしたかった。そのために芸術学校に入学しました。芸術学校で過ごした3年間はとても刺激的でした。建築の第一線で活躍する先生や、アグレッシブな同期の仲間たちとの出会いを通して、建築の見方、プレゼンのスキル、コミュニケーションの手法が磨かれていきました。以前は個別の家大学で比較生活文化学を専攻していたこともあり、旅先で色々な地域を歩き回っているうちにその場所の文化と密接に関わっている建築に興味をもつようになり、芸術学校への入学を決めました。芸術学校の授業は、日々刺激的で、よく旅に出たくなりました。特に近代建築デザイン論は、毎回、一人の歴史的建築家とその代表作にスポットをあて、膨大な枚数の写真を通して建築の中を一歩一歩巡っていくようなレクチャーそのものの設計に関わりたいと思っていました。しかし、芸術学校に進学してからその思考はさらに広がっていきました。私にとって建築は人間学の中にある一分野です。あらゆる分野を横断していて、これほど生活に密着している分野は他にはないでしょう。人の生活の場の研究から建築に関わっていくことが、私の歩みたかった道なのだと確信しました。特定の分野の枠内で身につけた知識や技術では物事の一面しか見えてきません。まだ学ぶべきことは山のようにあります。卒業後も仲間たちとの付き合いは続いフィリピン・メトロマニラの不法占拠地域で、スライドのカシャンと響く音と薄暗い教室が印象深く、今思い返してみるとなんとも特別な時間でした。毎回授業には冊子と言ってもよい厚みのプリントが配られたので、半期の終了後にまとめて参考資料集にしていました。そのときに知った作品はいつか訪れたいと思う建築ばかりで、今でも旅行先を決める指針のひとつとなっています。授業やエスキスを通して知った、建築ってすばらしいなという実感からくる喜びが、今も設計を続ける軸となっています。ています。同期の多くが独立して、建築設計事務所を開設しました。現在はお互い多忙な時間を縫って、新しい時代を見据えた広い意味での建築プロジェクトに共同で取り組んでいこうと模索しています。その軸となるのが、建築の魅力について身体を通して学んだ芸術学校の時間でした。「BONUS TRACK」西川 日満里SAIKAWA Himari牧野 冬生MAKINO FuyukiOB/OGComment
元のページ ../index.html#50