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ssac llianosseforP2nd yearProfessional classcomment43私が建築を学びたいと考えたきっかけは、とある公共の水族館建て替えに関するパブリックコメントを見たことでした。類似施設の維持管理を担う会社に勤めていたこともあり、水族館という用途や社会的な役割も理解していた自負もあり、新しい水族館ができることをうれしく思っていました。しかし、このパブリックコメントでは、既存の建築を取り壊すことに対して批判する文言が並んでいました。その際に改めて建築という領域を知り、意識するようになりました。建築物の利用用途だけでない社会的な存在意義のようなものがあると分かりました。このような背景があり、よりアカデミズムに近い領域で建築を学びたいと思うようになり、芸術学校に調べあたりました。その後、生活上ある程度時間的な余裕ができたことから、半ば衝動的に芸術学校への出願を決めることになります。1月末、年度最後のナイトオープンキャンパスに参加した際に、住宅設計課題の講評回で、先輩である当時の1年生がすごく楽しそうに発表されていたのをおぼえています。建築とそのデザインを専門的に学ぶことは初めてのことです。とくに、設計課題のなかで行われるエスキスという過程はまったく新しい体験でした。自分の“考え”を言葉と目に見える資料にし、人の意見を仰ぐ、これだけのことですが、体系的にこなしたことはなかったかもしれないなあと思い返してます。日中の仕事と夜の学校、課題の分量も多く、現在は決して自由時間を十分に取れる生活ではありません。しかし、授業中は仕事のことをさっぱり忘れることができ、入学前に比べると精神的には安定したように思います。社会に出て業務上の技術向上や資格の習得を進める段階になると、自学自習の割合が大半になっていきます。そんな中での学校の時間というものは、人から何かを教わる楽しみを感じさせてくれます。生涯学習という言葉がありますが、その言葉の意味をまさに体感しているところです。建築科2年在籍千葉大学園芸学部緑地環境学科卒団体職員建築を強く意識するようになった契機は、留学でドイツを訪れた際、日本とは異なる都市の在り方、人の住まい方を目の当たりにしたことです。元々、地勢・社会・歴史・文化と人の行動・生活の関係性に関心がありましたが、海外での生活を通して、その興味が自然と都市・建築に向けられるようになりました。未経験の領域に飛び込む最初の一歩は勇気がいると思います。特に、自分の生活・キャリアを変える場合には相応の覚悟が必要ではないでしょうか。私も以前は建築の道に進むべきかとても悩みましたが、やりたいことをやらずに後悔したくないと思い、芸術学校への入学を決意しました。1年半が経ちましたが、以前では想像できないほど充実した生活を送っており、自分の決断に後悔したことは一度もありません。芸術学校の先生は前線で活躍されている先生方ばかりですが、どの先生も親身になって指導してくださり、何も知らなかった私でも一つずつ身になっていると感じます。実践の場のお話も聞くことができ、とてもワクワクする時間です。課外では建築セミナーという、半日~1泊程度で行われる特別講義があります。先生方と学生で建築を訪れ、個人では見られない建築・空間を鑑賞したり、所縁の方からレクチャーを受けられたりと、貴重な経験ができます。クラスメイトと一緒に建築を鑑賞し、議論できるのはとても楽しいです。年に2度開催される、作品展(芸術展及び卒業設計展・学生作品展)では設計課題の作品を外部に公開します。最初は「初心者の私の作品を公開するなんて」と躊躇いましたが、公開することで様々な方から講評を受けられたり、学年を越えた優秀作品を目にすることができたり、非常に刺激的で価値のあるイベントであると体感しました。最後に、芸術学校での学びを充実させつつ、働く/他校に通うとなると毎日が非常に忙しくなります。自己管理ができていないと体調を崩したり、満足のいかない結果になったりすることもあります。ただ、様々な年代・バックグラウンドの学生がいることで、お互い刺激し合いながら切磋琢磨できる、素敵な環境だと感じています。芸術学校で学び始めてから、これまで経験したことの一つひとつが建築を志す上で価値あることだと思うようになりました。今後も色々なことに挑戦し、楽しみながら日々精励していきます。建築科2年在籍横浜国立大学経営学部国際経営学科卒業コンサルティング会社勤務を経て現在ダブルスクール三浦 翔太MIURA Shota小林 稚菜KOBAYASHI Wakana在校生の声Commentstudent

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